「発達障害は治る!」というセンセーショナルな表現を使ってきた関係者は数多くいる。「発達障害」が「定型発達」との間で断絶したものでなく、連続体としての側面を持っている以上、それは固定的なものではなく、早期からの子どもへの適切な関わりや環境整備によって、ずっと暮らしやすくなりうることは確かであろう。そのような事態を「治る」と呼ぶことに自分はずっと否定的であるが、今となって思えばこれはまだまだ「かわいい」ものであった。
条例における「発達障害」観は、障害を固定的なものと捉えないものの、もっとタチの悪い「原因論」を持ち込み「育て方に問題があるから発達障害になり」「育て方を改善すれば発達障害は生じなくなる」という点ばかりを強調している(と書くと「学際的研究をするとも言っているのだから」という反論もあるのだろう。しかし、この条例中で唯一「発達障害」との因果性をもつものとして具体的に示されているのは「育て方」なのだから、そんな大らかな読み取り方などできるはずがない)。
障害を個人化する「医学モデル」は近年「社会モデル」の台頭によって批判を受けやすくなっているが、この「育て方モデル」はいっそう最悪である。日本で「母原病」なんて言葉が広まったのはおよそ30年前。自閉症児の母親は冷淡な「冷蔵庫マザー」であると言われたのは1940年代から70年代ぐらいにかけてのことだったか。「科学的知見」とやらは、ずいぶん時計の針を戻したものである。
(via poteusso)
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